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第4章 活動手順と発表手順

前章で、従来指導されてきたQCストーリーの誤りを指摘したが、このページでは  CAPDサイクル に沿った活動手順を学ぼう。

発表

注意しなければならないのは、CAPDサイクルは活動手順のみを指しており、発表手順ではないことだ。このページでは、正しい手順を、活動手順と発表手順に分けて紹介する。

重要な点は、次の2つの手順が全く異なることである。

1. 大改善:失敗が許されない一発勝負の活動(方針管理、本番プロジェクト、イノベーション)

2. 小改善:失敗が許されるCAPDサイクルを繰り返す活動(日常管理、QCサークル活動、研究開発プロジェクト)

この章では小改善の手順だけを扱い、大改善の手順は第8章(方針管理)に譲る。

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目次
小改善と大改善の区別
1.活動と発表の違い
1.QCストーリー史
2.目的の相違
3.テーマの相違
4.注意点
2.活動手順 CAPD
1.現状の把握(C)
2.処置の検討(A)
3.対策の決定(P)
4.対策の実施(D)
5.効果の確認(C)
6.終了と継続
3.発表手順
1.発表テーマ
2.疑わしい要因
3.対策の実施
4.効果の確認
5.参考になった点
6.今後の方針
7.正しい発表手順
8.発表の範囲
4.発表の審査
→ 目次

小改善と大改善の区別

ある日、読者の方から、思いがけない反論を頂いた。→ 反対意見(7)

おかしい
読者からの反対意見

客観説TQMは、大改善と小改善の区別が理論の中核となっていると思います。
 しかし中改善がなく、実態にそぐわないと思います。

実際のQCサークル活動はむしろ大半の改善は中改善(数万円から百万円程度)であって、客観説では目標を設定するかどうか、活動テーマを選定するかどうか、途方に暮れてしまいます。

従って客観説は理論としては面白いが、貴兄が主張するほどの実用性はないと思います。

これは貴重な意見であり、感謝です。
 筆者は実務で長年「大改善と小改善」を区別し、中改善に遭遇して困ることは一度もなかった。

だから思いもよらぬ反論に接して、「こんな問題は考えたこともない」という印象であった。

しかし、そのように誤解される可能性に気づき、以下のような回答を用意した。

反論に対する回答

あるトラブルについて対策を思いつき、「実施しようか」と考える。

1. 対策の費用や労力等から「失敗してもいいから、この対策を実施しよう」と判断した瞬間に、小改善と決まる。小改善は CAPDサイクル を手段が尽きるまで回す(七転び八起き、QCサークル活動、研究開発プロジェクト)。

小改善だからとて、少費用とは限らない(アメリカ航空宇宙局 NASAによる月への有人宇宙飛行計画における個々の実験は、莫大な費用をかけた小改善活動である)。

2. 「この対策を実施するには、手間や費用からして失敗は許されない。事前に成功を確信するためのデータが必要」と判断した瞬間に大改善=一発勝負と決まる(方針管理、本番プロジェクト、イノベーション)。

3. 上の二通りしかなく、これらの中間というものはないから、中改善というものは実在しない。

だから、QCサークル活動で中改善というものはあり得ない。強いて言えば、どっちにするか迷う場合が中改善ということになるが、いずれどちらかに決めなければならないから、結局、中改善は消滅してしまう。

また、費用が基準になる訳でもない。対策の実施に1万円かかる場合、
 1. 月額10万円の効果が出そうなら失敗してもいいから実施してみようと考える(小改善)。
 2. しかし、月額わずか1000円程度なら成功を確信できなければ実施しない(大改善)。

ナチスの技術者:フォン・ブラウンは、幼少の頃からロケッツ開発を手掛けて、やがてV2ロケットの開発に成功し、終戦後は米国で月ロケット「サターンV」を開発した。

開発は全て CAPD(PDCA)サイクル であって、膨大な費用を要した。それでも研究開発は失敗が許されるから小改善である。本番の月への有人ロケットのみが(クルーの生命に関わるから)失敗が許されない一発勝負の大改善である。

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1. 活動と発表の違い

活動と発表とは、目的も内容も異なり、同一の手順ではあり得ない。主な相違点を説明しよう。

1-1. QCストーリーの歴史

QCストーリーの歴史について、TQC用語辞典から引用する。

美化運動

もともとQCストーリーは、過去の問題解決事例を他人に分かりやすく発表するために工夫された報告書の手順であった。その名称も、ここに由来する。

その後、実際に問題を解決する進め方としても非常に有効であることが確認されるようになったため、問題解決法としても広く提唱されるようになった。

これによれば、QCストーリーは、QCサークルのために用意された手順でないことが分かる。すなわち、QCサークルのような試行錯誤( CAPDサイクル )を繰り返して小さな改善を積み重ねる活動のために工夫された手順ではなく、石川馨教授が得意とする大掛かりな一発勝負の改善のための手順なのである。

石川馨

QCサークルの提唱者である石川馨氏(当時の東大教授)は、特性要因図に多数の要因を列挙して、直交配列表を用いた実験計画法により、一挙に問題を解決するやり方のスペシャリストであった。それは、まさにQCストーリーにピッタリの手順であった。

推測でしかないが、QCストーリーをQCサークルに適用したのは、石川馨氏のミスだったと思われる。

いずれにせよ、QCストーリーの手順はQCサークルの発表にも活動にも適用できないこと、第3章で説明した。「活動手順としても、発表手順としても」使えないのである。その結果、どのような手順なら役に立つかという問題になる。

手順は、活動用と発表用に分けて構成するのが正しい。もともと、QCサークルの活動と発表は目的が異なるから、手順が異なるのは当然である。

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1-2. 目的の相違

QCサークルの活動と発表の目的は、どう異なるか。

 活動の目的

QCサークル活動の目的は、日常管理の推進である。従って、扱うトラブルは1個に限定してはならない。数個のテーマが問題になっているとき、あれこれと理由を探して1個だけ選定して、残りは放置するという日常管理はあり得ない。

勉強会

 発表の目的

一方、発表の目的は相互啓蒙である。換言すれば、発表会は勉強会パーティーである。

従って、発表するテーマは他のQCサークルに参考になるもの、自分達が学んだこと、または、困って助言が欲しいもの等を過去の事例から選定すべきである。選定は1個に限らないが、多数のサークルが参加する発表会では、時間の関係で1サークル当たり1個に限定するのが普通である。

発表は相互啓蒙だから、必ずしも活動の全体を説明する必要もなく、目的とする狭い範囲に絞って説明することもできる。詳しく説明するケースでは、聴衆は、むしろそのような手順を望むかも知れない。

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1-3. テーマの相違

活動テーマと発表テーマは、どう異なるか。

 活動テーマ

「活動テーマを1個だけ選定する」という職場管理(日常管理)の手順はあり得ない。

問題の棚卸(たなおろし)」によって30個~50個もの多数の問題を表面化して、その中からやりやすいものを数個拾って改善するのが普通である。

同一の製造工程に3つの不良項目があるときは、それら3つを同時に改善すべきで、1個だけ選定するという手順は不合理である。

→ 複数テーマのメリット

 発表テーマ

活動テーマが、そのまま発表テーマになる訳ではない。発表テーマは「発表の目的=相互啓蒙」に適するものでなければならないからである。

従って、発表テーマは原則、過去の(既に終了した)テーマの中から選定することになる。

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1-4.注意点

QCサークル活動は、次の点に注意しなければならない。

 1. 成果はやってみなければ分からないから、「目標の設定」をしてはならない。手段が尽きるまでやるだけである。

 2. 一発勝負にしてはならない。 CAPDサイクルは、手段が尽きるまで粘り強く行う手順でなければならない。

 3. いつ何をするのか不明なのに、「活動計画」を立ててはならい。

以下、QCサークル活動の手順について詳細に説明する。

→ ダウンロード
 パワーポイントによる簡単な事例解説

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2. QCサークルの活動手順

活動手順の画像

QCサークル活動は、小改善の積み重ねによって日常業務を改善する活動である。従って、失敗を重ね、失敗から学び、何度も挑戦して成果を積み上げる手順が必要である。

失敗が許されない大改善とは違って、「事前に入念に研究する」という手順がない。

次々と改善策を講じてトライ・アンド・エラーを進める手順になる。これは、CAPDサイクルである。

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2-1. 現状の把握 C(Check):

 1. 問題の棚卸

CAPDサイクルの最初のCでは、問題の棚卸が必要になる。

1. 職場の全員にアンケート用紙を配って、思いつくムリ・ムダ・ムラの情報を収集する。

2. 品質保証課が保有する不良・クレームのデータを収集する。

3. その他、「もう少し、よくならないか」と望まれる特性を列挙する。

こうして50件ほどの問題点を把握した上で、QCサークルにやらせてみよう、あるいはやってみようと思われる5個~10個ほどの問題を拾い上げる。

それらが終了したら、次々に問題を補充する。

 2. 特性の可視化

現状把握と分析の手段として、特性値を可視化する。

特性の層別、特性値の分布のヒストグラム工程能力指数の Cpk 計算値などから、どのような取り組み方をするか、方針を決める。

中でも最も実用的な可視化の手段は、下図の時系列折れ線グラフである。

〔取り上げる全トラブルのデータ〕
ブラケット不良率の時系列グラフ
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 3. 仕事のやり方の現状把握

それら特性の異常は、決められた通りの仕事のやり方で発生しているのか、それとも工程設計等の決まりに違反して起きているのか?

もし違反しているなら、違反に至った経緯を調べて課長を通じて標準書と実際の仕事のやり方を一致させねばならない。

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2-2. 処置の検討(Action)

 1. 問題解決の仕方

問題解決の進め方を検討する。

問題解決型の場合は、原因を推定して対策を立案する活動に他ならない。原因を推定すると言っても、難しい手順を踏む必要はなく、日常の仕事を通じて「疑わしいと思う」事象を挙げればよい。

もう一度、先ほどのグラフを見よう。

ブラケット不良率の時系列グラフ

上の図をみると、いろいろなことが頭をよぎる。

(■)曲がりは、4%になったりゼロになったりするが、何が関係しているか? もしかしたら、積み重ねたときの重みで曲がるのか? 重みが掛からない運搬、貯蔵を工夫してみよう。

)ダコンは、製品同士、あるいは何かと衝突して発生するはずだ。工程のどの段階で発生しているか、何と衝突するのか、調べてみよう。

)バリは、金型の整備不完全か? バリ取り処理の不完全か? 工程設計への違反はないか?

🔶)よごれ(は、何が付着しているのか? 付着物の鑑定を外部に依頼しよう。

このように、グラフから「次に何をするか」という方針を立てることが、CAPD の C → A に移る橋渡しになる。

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 2. QCサークル活動の型

QC活動手順は、下の表のような分類となる。

これは典型ストーリーなので、実際に行う活動手順(=実務ストーリー)はこれを参考にしつつも問題に合わせて工夫する必要があり、この通りに行う訳ではない。また、異なる型を組み合わせる場合もある。

「QC活動の5つのタイプ」についての詳細は、→ 第6章 で説明する。

QC活動手順の5つのタイプ




①原因 確定型 原因確定後に対策(大改善向き)




②逐次 対策型 1個ずつ対策を先行(QCサークル向き)
③溜め 込み型 複数要因を同時検証(直交配列表の活用)
④課題 達成型 仕事のやり方を設計(原因除去できず)
⑤施策 実行型 原因・対策が既知 (QCサークル向き)

→ 目次

実際の活動手順は、これらを組み合わせになる。例えば、

~という具合である(下図参照)。

pdca-graf

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2-3. 対策の決定(Plan)

CAPDサイクル の A → P に移る。

Aで検討した対策のうち、どれをどのように実行するか、日程、担当、手順などを決める。

注意すべき点:

1. 出費が少なく失敗が許される小改善では、原因に確信がないままに先に対策を実施する場合(対策先行型)が圧倒的に多い。

2. 効果が出なくても構わない程度の「安い費用」の対策

3. 失敗しても、他に損害や危険がない。

4. 元の状態に戻すか、あるいは戻さなくても支障がない対策

5. 本番の業務で実施すときは、上司の許可を得ること。特に、既存の標準に対して変更を加える対策は、主管部署の許可を必要とする。

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2-4. 対策の実施(Do)

管理サイクルの P → D に移る。すなわち、決めた対策を実行に移す。

  1. 対策のうち、1個だけ選んで実施する。
    複数の対策を同時に実施すると、それぞれの対策の効果を判定できなくなる。

    しかし、効果が出るまでに何年もかかる場合や1個ずつの効果を確認する必要がない場合は、まとめて実施してもよい。

  2. QCサークル活動は正規の業務だから、実施の都度、職場長の許可を取る必要がある。

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2-5. 効果の確認(=現状の把握C)

管理サイクルの D → Cに移る。すなわち、実施した対策の効果を検証し、さらなる改善を検討すべきかどうか判断する。

現状把握で用いた手法と同じ手法で、改善後の現状を把握する。具体的には、下図のような時系列折れ線グラフで効果を確認する。

pdca-graf

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上の図で、最初のCAPDで講じた対策の効果をどう評価するか?

対策の効果としてグラフが下がったとみるべきである。なぜなら、最初の5個のデータのバラツキ具合からすると、6個目が偶然に下がったと考えるのは統計的にムリがあるから。

2回目、3回目のCAPDで講じた対策の効果はどうか?

効果なしと解釈すべきである。単なるバラツキと見分けがつかないからである。

4回目のCAPDで講じた対策は、効果ありとみるべきは当然。

このように効果の確認は、平均値を比較するのではなくバラツキを推定し、バラツキを超える変化があったかどうかを見る。

改善前のテータ群と改善後のデータ群を比較して、

~と判断できる。

変化(効果)が小さいときは、データ数が非常に多くないと判定が難しい。反対に、変化が大きいときは、改善後のデータ数が少なくても判定が容易である。上の図で、最初のCAPDで講じた対策の効果は、データが2~3個でも「効果あり」と判定できる。

正式には、平均値の差の有意差検定(t 検定)を行うべきだが、以上のような簡便な方法がQCサークルにとって便利である。

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2-6. 活動の終了と継続

  1. 活動の終了
    不良率がゼロになる等、改善の余地がなくなったら完了。
    結果が不満でも、手段が尽きたら一応終了である。もし放置できないなら、上司を通じて社内外の専門家に解決を委託するなどの追加処置が必要になる。

  2. 活動の継続
    対策案がある場合は、さらなる改善に向けてCAPDを継続する。

  3. 目標との関係
    「目標を達成するまで継続し、目標を達成したら終了する」という説明は間違いである。小改善に目標の設定はあり得ない。
→ 目次

3. 発表手順

発表

発表テーマの「選定」については、 → 第5章 で詳細に取り上げ、ここでは概要のみとする。

QCサークルの改善事例の発表は、相互啓蒙を目的として行う。
 従って、発表の内容、発表の審査などは、この趣旨にかなったやり方になる。

→ 目次

3-1. 発表テーマ

 1. トラブルの名称

発表テーマの名称は、活動テーマの名称と異なってもよい。例えば、データの収集を工夫したなら、「データ収集の工夫」という名称でもよい。

 2. 問題の内容

どのような業務のどのような問題を改善したのか、問題の内容を説明する。

さらに、ここで「現状の把握」を説明する場合は、

  1. 現状把握で把握した不良率、原価、その他のムリ・ムラ・ムダの量を時系列折れ線グラフで示すのが普通である。

  2. この場合、平均値だけでなく、バラツキが分かるような表示をしなければならない。後で効果を確認する際に、バラツキを超える効果かどうかが問題になるからである。

例えば、次のようなグラフは、平均値もバラツキも読み取れて、現状把握に適している。

特性要因図

 3. テーマ選定の理由

過去の事例のうち、勉強になった(他のサークルに参考になりそうな)事例を列挙して、どれを、なぜ選定したか、どの点に注目して欲しいか簡単に説明する。

〔注〕失敗した事例であっても、失敗から学んだことがあれば、それをテーマにしてもよい。下の表の下端のような事例である。

発表テーマの選定
テーマ勉強になった点
選定ブラケット曲がり不良CAPDサイクルの重要性


ブラケットのサビ不良直交配列表で成功
ハンドル塗装不良時系列折れ線グラフによる効果確認
隔壁板の曲がり不良意外な機会に解決のヒント
ピストン落下不良1つの要因の層別で原因が判明
ハンガー反り不良要因を多数列挙して失敗

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3-2. 疑わしい要因

どのような要因を疑ったか、特性要因図に列挙した上で、要因の内容と疑った経緯や根拠を発表する。

CAPDサイクル を3回行った場合は3個の要因を示し、原因でなかったと判明した要因は2本線で抹消する。

特性要因図に示す目的は、次の2つである。

  1. その要因が仕事のどのようなところにあるか、要因の位置づけを示して理解しやすくする。

  2. 工程設計を担当する生産技術部門に提供し、工程設計変更の資料とする。

特性要因図

〔注〕課題達成型の場合は「新設計をしなければならい事情」を説明すればよい。

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3-3. 対策の実施

効果のあった対策の内容を必要に応じて発表する。「必要に応じて」とは、「参考になった点」に関連するなら詳細に説明し、大した関連がなければ概略でよいという意味である。

複数の対策を1個ずつ切り離して実施したか、同時に実施したか、が分かるような発表にする。

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3-4. 効果の確認

通常、時系列折れ線グラフで発表するが、他に適切な説明方法でもよい。いずれにせよ、バラツキと平均値が分かるような方法で図示し、バラツと効果を区別できるかを発表しなければならない。

特性要因図
→ 目次

3-5. 参考になった点

ここで改めて「参考になった点」を発表する。ありきたりの活動であっても、通常は勉強になった点はあるものである。

本件では「CAPDサイクルの重要性を理解」を採用し、CAPDを繰り返すに至った経緯を発表する。例えば、次の通り。

参考になった点

最初に講じた対策で「曲がり不良」が半分という望外の成果を得て、皆が満足でした。しかし、リーダーは「もう少し良くならないか」と不満を漏らした。

皆が「他に原因・対策は思いつかない」と主張したが、リーダーの「こういう手があるじゃないか」の一言で、さらに挑戦を続けることになったのです。

「2番目に疑わしい要因」に続いて「3番目」まで挙げて対策を講じ、遂に90%の削減まで漕ぎつけました。残り僅かですが、今回の教訓を得て、私達は諦めていません。

→ 目次

3-6. 今後の方針

問題が完全に決着した場合は、これでこの問題は終了であることは明白だ。しかし完全決着ではない場合は、聴衆は「この後、この問題をどうするのか?」と疑問を感じる。

従って、これで終了するか、あるいはさらに続けるか、理由とともに発表する。

例えば、下の図で、「材料メーカーを変更すれば多少の効果があることが分かったが、完全解決ではない。どこが違うか、さらに有効な材料を供給して貰えないか、メーカーに相談する予定である」などと発表すれば、聴衆の理解を得やすい。

今後の方針

従来は「今後の計画」と呼ぶのが普通であったが、計画ほどの具体性は不要であって、方針・予定・構想などでよい。

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3-7. 正しい発表手順

以上の検討により、従来の発表手順は、下の表のように変更するのがよいと考えられる。ただし、その全部を発表する必要はなく、参考になる箇所の前後に限定して発表する。

従来の手順正しい発表手順
活動テーマの選定   発表テーマの選定
選定の理由   発表の理由(簡潔に)
活動の計画  
現状の把握 C 現状を把握する
目標の設定  
要因の分析 A 最も怪しい要因
を1個拾う
原因判明
対策の実施 P 対策案を決める
D 実施する
効果の確認 C 効果を見る
  A 2番目に怪しい要因
を1個拾う
 
  P 対策案を決める
D 実施する
  C 効果を見る
今後の予定   完了か、CAPDを続けるか

→ 目次

3-8. 発表の範囲

発表は、活動内容の全部を説明する必要はない。勉強になった点、参考になりそうな点を決め、その部分の説明に必要な範囲を決めればよい。

例えば、第1回目のCAPDを省略して、第2回目のCAPDに絞って、参考になりそうな内容を発表すればよい。ただし、「なぜ、それが参考になるのか」が分かるように発表する必要がある。

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4. 発表の審査

QC改善事例の発表は、相互啓蒙が目的である。

表彰台

故に、発表の価値は、利益を受ける他のサークルからの評価にかかる。つまり、審査はサークル同士が互選することになる。

会社の偉い人が効果金額を基準に審査するというレベルの低い指導が、「ほら吹き大会」となってQC活動の衰退を招いたことは周知のとおりである。

サークル側も、ウソをついて上層部から表彰されるよりも、他のサークルから模範的な活動だと認められる方が嬉しいであろう。

(第4章 終わり)
→ 目次

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© 客観説TQM研究所 鵜沼 崇郎