2-1.活動テーマの選定
QCストーリーに「テーマの選定」という項目があるが、これは活動テーマと発表テーマのどちらを指すと解釈するべきだろうか?
こういう疑問を持たない人は、「活動テーマと発表テーマは同じだから、そういう問題は存在しない」と考えているのである。
しかし、活動テーマは1個に限らず2個でも3個でもよい訳であり、反面、発表テーマは1個に限定されるから、原則として両者が同一ということはない。
(1)選ばないのが普通
私達はトラブルをいくつか抱えたとき、1個だけ選定するのが普通だろうか?
テレビとパソコンと水道の蛇口が故障したら、その全てを修理するのが普通であって、
・困る程度
・かかる費用
・期待効果
・実現性
・お父さんの方針
・家族の方針
・かかる期間
など、いろいろと理由を探して1個だけ選び、残りは手を付けずに放置する~というのは、バカのすることである。
新規に製造工程を立ち上げたら、不良が4項目発生じたとする。
あれこれと理由を挙げて1個だけ選定して、残りは放置するのが正常な日常管理だろうか? それとも、4つの不良を同時に検討し、解決できるものはどんどん解決するのが正常だろうか?
以上のように考えると、活動テーマは選ばない(同時に複数のテーマに手をつける)のが普通だと考えるべきである。従って、QCサークルの「テーマの選定」は発表テーマを一個だけ選定することを意味する(活動テーマの選定と理解してはならない)。
(2)重点管理は不適切
では、なぜ、「活動テーマを選ぶもの」という考え方が蔓延したのか? それは、QCサークルの歴史において、「活動テーマは特別なものを選定せよ」と重点管理が指導されたことによると推測される。
重点管理こそが、「むやみに手を付けるな、手を付ける問題を選べ」との教えだからである。
〔詳細な説明〕→ 第5章:重点管理は誤り
ここで、指導例を吟味しよう。
それらの問題を、管理者の方針・目標や期待効果、実現性などの項目で評価し、取り組むべきテーマを決定します。
誤りである。
「取り組むべきテーマ」として選定したテーマ以外は全て「取り組むべきではないテーマ」として長期にわたって放置されることになり、到底、賛成できない。
2-2.発表テーマの選定
小集団活動の目的は、次の通りである。
(前略)全社的品質管理の一環として、次の目的で行う。
- 自己啓発と
- 相互啓発を行い、
- QC手法を活用して職場の管理、改善を継続的に全員参加で行う。
これらの目的のうち、相互啓発
の目的で行われるのが事例発表会である。従って、相互啓発の目的に沿うテーマを、過去のいくつかの改善事例から選定することになる。
ところが多くの場合に、そのように指導されない。
活動テーマを1個だけ選ぶように誤って指導されるから「発表テーマの在庫」がなく、選定する余地がないのである。
すると困った問題が発生する。
改善に失敗して成果を出せなかったとき、発表に困ってしまう。どうするか?
- そうならないように、成功すると分かっているテーマのみを選ぶ。
- ウソ話を作る。
現に、そうなっている。